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1.高齢者の身体機能低下とそのリハビリテーション

(12)高齢者のリハビリテーションを考える

日本人の死因

厚生労働省が公表している人口動態統計によると、平成27年度の死因順位別死亡数の年次推移は、第1位は悪性新生物、第2位は心疾患、第3位、肺炎、第4位は脳血管疾患です(図1)。

図1 日本人の死因(平成27年度)

要介護状態になる原因

平成25年の国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、介護が必要になった原因を総数でみると、第1位が脳血管疾患(脳卒中)、第2位が認知症、第3位が高齢による衰弱です(表1)。

表1 要介護度別にみた介護が必要になった原因

介護が必要になった原因を要介護度別にみると、要支援者では、関節疾患、高齢による衰弱、転倒・骨折が上位となります。
要介護者では、脳血管疾患、認知症、衰弱が順位は異なる場合がありますが、総数でみた場合とほぼ同じとなっています。
その他の原因では、数は少なくなりますが(10%以下)、心疾患、パーキンソン病、糖尿病、呼吸器疾患、悪性新生物、脊髄損傷、視覚・聴覚障害などです。

平均寿命と健康寿命

厚生労働省の資料によると、平成25年の男性における平均寿命は80.21歳、女性は86.61歳としています。平成22年のデーターから単純に比較すると、男性ではおよそ0.66年、女性では0.31歳延伸しています。
一方、日常生活に制限のない期間としていわれる健康寿命は、平成25年で男性71.19歳、女性では74.21歳、したがって、男性9.02年、女性12.40年は、日常生活に何らかの制限があることになります。同様に平成22年と単純比較すると、男性0.11年、女性は0.28年短縮している結果となります(図2)。

図2 平均寿命と健康寿命

高齢者の健康

◯ 高齢社会白書によれば、2013年における65歳以上の高齢者の有訴者率は466.1(人口1,000人あたりの「ここ数日、病気やケガ等で自覚症状のある者(入院者を除く)」と半数近くの人が何らかの自覚症状を訴えています。

◯ 日常生活に影響のある率(人口1,000人あたりの「現在、健康上の問題で、日常生活動作、外出、家事、学業、運動等に影響のある者(入院者を除く)」は、2013年で258.2と、有訴者率と比べるとおよそ半分と報告されています。

高齢者の要介護者数

◯ 2013年、65歳以上の要介護者等認定者数は、569.1万人であり、2003年度に比較して、198.7万人増加しています。

◯ 要介護者等は、第1号被保険者の17.8%を占めています。

◯ 65~74歳と75歳以上の被保険者について、それぞれ要支援、要介護の認定を受けた人の割合をみると、65~74歳で要支援の認定を受けた人は1.4%、要介護の認定を受けた人が3.0%であるのに対して、75歳以上では要支援の認定を受けた人は8.8%、要介護の認定を受けた人は23.3%となっており、75歳以上になると要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇しています。

高齢者の心身機能のリハビリテーション

高齢者がいつまでも健康で過ごすためには、さまざまな課題が存在します。身体的機能の問題、うつ、やる気などの心理的問題、どこにどのように住んでいるなどの環境問題、さらに金銭やサポートをしてくれる人的問題、社会参加できるかなどの社会問題などです。これらを少しでも解決できる仕組みが構築できるかは今度の取り組みにかかっています。その中でも自分のことはおおよそ自分でできる身体機能を確保することはとても重要なことと思います。

高齢者の身体機能を維持したり、増進させていくためには以下のことがポイントになると考えます。

  1. アンチエイジング(老化を可能な限り遅らせる)
  2. 病気の予防のための取り組み(特に死因や要介護状態になりやすい病気)
  3. 今、身体的問題を抱えていれば(例えば、膝痛や腰痛、肥満、認知機能低下など)少しでも良くなる方向への取り組み
  4. 最も過ごす時間の多い生活を通じた健康作りの取り組み
  5. 身体活動(運動+生活活動)、栄養、休息(睡眠も含む)、ストレス回避、脳機能向上を含めたトータルアプローチ