転倒予防のためのリハビリテーション

「転倒」は、高齢者が要介護状態になる原因の一つと言われています。
要介護高齢者を増やさないためには、転倒のリスクを減らし、事前に防いでいくことが非常に重要です。

なぜ、転倒すると要介護状態になるのか。

転倒により骨折等をすると、体を動かす機会は減りますが、体を動かさずにいると筋肉や骨が衰え、機能が低下します。これを廃用症候群といいます。
廃用症候群は、何もしなければさらなる機能低下を招くため、最終的には要介護状態になります。(廃用症候群について詳しくはこちら

転倒の原因

転倒理由には外的要因・内的要因の二つがあります。

 

  • ①外的要因
    生活環境など、自分自身の外部にある要因

    ・床・廊下・居室が濡れている、段差がある
    ・手すりがない
    ・部屋が散らかっていて、障害物が沢山ある
    ・照明が暗くて周囲が視えない
    ・履くものがスリッパなど脱げやすいものを履いている
    など

  • ②内的要因
    身体機能の衰えなど、自分自身にある要因

    ・加齢による筋力やバランス感覚の衰え
    ・可動関節域の狭まり、姿勢が悪くなること
    ・視力が低下し、つまづくポイントが見えなくなる
    ・服薬によるふらつき
    など

転倒予防のために必要なこと

転倒事故が起きる時は、外的・内的要因がいくつも重なることもあり、それぞれのリスクを取り除いていく必要が有ります。(例・・・照明が暗い上に視力が低下していてよく見えない中、散らかっている部屋の障害物で足元を滑らせて転倒した。)
今回は、内的要因のリスクを減らすための転倒予防プログラムを紹介いたします。

転倒予防のプログラム 衝撃運動

運動の前後には必ずストレッチングを行いましょう。
まずは衝撃運動(足底に刺激を与える運動)からスタートします。

  • 踵おとし

    つま先立ちの状態から踵に衝撃を与えます。
    ※20回×2セット

  • 台昇降

    膝を伸ばしてから台から下ります。
    ※10往復×2セット

転倒予防のプログラム バランス運動

バランス感覚を取り戻す運動です。全般的に支持面が不安定になるため、運動中の転倒には充分注意してください。

  • 重心移動

    開脚姿勢から左右に重心を移動します。次に前方に重心を移動します。
    ※各10往復×2セット

  • 膝曲げ歩き

    股・膝関節に適度に屈曲させてマット上をゆっくり歩きます。
    ※5回程度

  • 台姿勢バランス

    腕・体幹・大腿・床が四角くなるように構え、バランスを保ちながら手を上げたり、足を上げたりします。
    ※10回×2セット程度。

最後に

転倒は要介護度につながる怖い事故ですが、日頃から環境を整え、転倒を防ぐという意識を持つことでリスクを減らす事ができます。
日頃からの心がけで転倒事故を防ぎましょう。

※厚生労働省 運動器の機能向上マニュアル(改訂版)をもとに酒井医療株式会社が作成