Advance Sports & Rehabilitationアスリートの明日へ踏み出すチカラになる。
高校時代に超音波治療器に出合い
治療器によるコンディショニングを知った。

ナイキ・オレゴン・プロジェクト/長距離陸上競技選手

大迫傑

アジア人として初めてナイキ・オレゴン・プロジェクトに所属し、プロランナーとして活躍する大迫傑選手。
3000m、5000mで日本記録を持つだけでなく、初のフルマラソン挑戦となったボストンマラソンで3位入賞の快挙を果たした。
シンプルでありながら奥深い、走るという行為に情熱を注ぐ彼にコンディショニングについて語ってもらった。

大迫傑
Photo/佐藤裕気 文/津島千佳 2017/02/09

大迫選手は現在、アメリカを拠点に活動されています。アメリカをベースにしようと思ったきっかけはありますか。

大学時代、アメリカでトレーニングした時、その内容の違いを目の当たりにしたのが大きかったですね。
長距離に関してだと、日本よりもスピードを重視したランニングや、当時の日本では長距離選手があまりしていなかったウエイトトレーニングを積極的にするなど、強度の高い練習が多かったんです。
ウエイトトレーニングにしても腕立てや懸垂などの原始的な方法ではなく、メディシンボールやバーベルなどの器具を使って科学的なアプローチでコアトレーニングを行っていたのが新鮮でした。
そういう様々なアプローチのトレーニングを経験して、この環境に身を置きたいと思うようになりました。

強度の高い練習を行うと、アフターケアも大事ですよね。コンディションはどのようにして整えていますか。

アメリカでも日本でも週に2回はメディカルトレーナーにケアしてもらいます。
その時疲労を感じている部位を中心に、オイルマッサージなどの手技のほか、治療器も使います。日本での治療器は超音波ですが、アメリカでは主にレーザーを使っています。
ただ、正直レーザーだとケアできている実感がわかないんですよ。やっぱり使い慣れた超音波がいいですね。
アメリカでは超音波の治療器が珍しいのか、僕の超音波治療器を持っていくと、まわりの選手が興味津々で尋ねてきます。

結果を出すために、治療器やトレーナーの
力を借りて常に健康でいることが大事。

酒井医療本社にある「TOKYO LAB(トウキョウ ラボ)」。最新の物理療法機器、測定機器、トレーニング機器が体感できる施設。大迫選手が試走するのはナイキ・オレゴン・プロジェクトでも採用されているWOODWAY社のトレッドミル「ELG」。最高40km/h、傾斜-5〜35%までの設定が可能なスーパートレッドミル。

最近はラジオ波でのケアをよく受けるそうですが。

日本に戻った時にお世話になっている治療院では最近はずっとラジオ波ですね。
超音波よりももっと熱感が強くて、ラジオ波のほうがホットパックをしたように温まったときの筋肉の緩み具合と超音波のような効果も感じられます。
向こうは寒いのでこれからは練習前とか練習後に使っていきたいですね。

セルフケアはどのようなことをされていますか。

自宅だとTVを見ながらストレッチとか、ボールでお尻のコリをとるとか。簡単な方法ですが、こまめに筋肉をほぐすように心がけています。
温かいお風呂に入って疲労回復もしたいんですが、アメリカは湯船に浸かる文化がないので、これはなかなか叶わないですね。これから寒くなるので、お風呂で温まりたいですけどね。

大迫選手がコンディショニングを本格的に受け始めたのはいつからですか。

中学時代は鍼をしていました。超音波などの治療器の存在を知ったのは高校です。
高校のコーチが現役時代に購入した超音波治療器を生徒に貸し出していて、使わせてもらったらすごくよかったんです。
体が温まる感じがするし、翌日も疲れを残さず、体は軽いし。その治療器、僕が一番使っていたんじゃないかな。その時から治療器でコンディションを整えることを覚えました。
高校時代はメディカルトレーナーがいませんでしたが、大学に入ると週に1回メディカルトレーナーが来てくれるようになって、プロにケアしてもらう大切さも知りました。

今、照準を合わせているのは東京オリンピック。

陸上競技は大会にピンポイントで照準を合わせなければならず、技術があれば勝てる競技でもありません。レースに向けてコンディションを整えるために気をつけていることはありますか。

だめでもいい、っていうレースは1つもありません。基本的なことですが、いい結果を出すには身体が整っていないとモチベーションも上がりません。だから常に健康でいること。
レースの2週間〜10日前までにはベストな状態にもっていけるよう調整します。そのために不調を感じている部分は重点的にケアしていますね。

リオオリンピックには5000mと10000mで出場されました。出場されて、ご自身にどういう影響がありましたか。

普段どおりの力が出せたし、その結果自分のレベルがわかった大会でした。これからももっとがんばろうと、モチベーションがアップしましたね。
普段からいい先輩やチームメイトに囲まれていますが、もっと先輩方から学びたい。吸収したものを自分のオリジナルのものにしてもっと力をつけなければとも思いました。

東京オリンピックに向けての目標を教えてください。

今、照準を合わせている大会です。自国開催はモチベーションにはなりますし、目標を高くもっていい結果を出したい。そのためには一つ一つ、できることをしていくしかないですね。

ナイキ・オレゴン・プロジェクト/長距離陸上競技選手

大迫傑

(おおさこ すぐる)

1991年5月23日生まれ。東京都出身。長距離陸上競技選手。3000m、5000m日本記録保持者。2015年にナイキ・オレゴン・プロジェクト(アジア人史上初)へ正式に加入。現在はフルマラソンにも出場し、注目を集めている。
【主な成績】
・東京箱根間往復大学駅伝競走(2012年)/1区区間賞
・世界ユニバーシアード選手権大会(2012年)10000m/優勝
・Rieti Meeting(2014年)3000m/日本記録
・ナイトオブアスレチックス(2015年)5000m/日本記録
・日本陸上競技選手権大会(2016年) 5000m、10000m/優勝、2冠達成
・ボストンマラソン(2017年)/3位、日本人男子で30年ぶりの表彰台
・福岡国際マラソン(2018年)/3位、日本歴代5位の記録をマーク
※2018年2月現在

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