バランスパッドエクササイズマニュアル

このマニュアルは、バランスパッドを使って、安全で効果的な運動を行っていただくために作成しました。運動をされる方の年齢や体力、関節の動く範囲、怪我や病気の影響を受けている場合など、個人差がありますので、マニュアルどおりに運動を行うことが困難な場合もあります。あくまでもマニュアルは参考として運動は必ず「痛みの無い範囲」で無理なく行い、痛みなど異常がある場合には必ず医師や専門家にご相談ください。バランスパッドのやわらかく不安定な状態は、支持基底面を不安定な状態でトレーニングでき、バランス機能と体幹の安定性が強化できます。また、固有受容器(足の裏のセンサー)が刺激され、神経と筋肉の伝達の向上につながります。そのため、より効率的でより多くの筋線維に働きかける事が可能です。

【基本動作】

●バランスパッドの柔らかで不安定な表面での運動をより効果的にするため、裸足で運動をすることが理想的です。ただし、大勢で使用される場合は、靴下などを履いて行っていただいても問題はありません。

●運動の開始から運動の終了までゆっくり息を吐き、ゆっくり息を吸うように心がけ、呼吸を止めずに行うことが重要です。

【運動の回数について】

●体力やバランス能力に応じて、少しずつ回数を増やしていき、10回を目標に行います。

【バランスパッドの柔らかさについて】

●バランスパッドは3種類の柔らかさがあります。
標準的な柔らかさがバランスパッド・エリートで、それよりも固いのがバランスパッド・ソリッド、一番柔らかいのがバランスパッド・クラウドです。運動の種類やお身体の状態に合わせてお選びください。

バランスパッド・ソリッド(硬いタイプ)
安定性を求めるトレーニング・リハビリテーション向け。大きめの凹凸加工で耐久性がより高く、ファンクショナルトレーニングやヨガ・ピラティスにも最適。

バランスパッド・エリート(スタンダードタイプ)
両面にワッフル状の凹凸加工。裸足で使用し、足裏の感覚受容器を刺激することで、トレーニング効果。体幹強化のエクササイズが可能。
ブルー・ストーングレー・ピンク・キウイの4色展開。お好みに合わせてお選びいただけます。

バランスパッド・クラウド
雲のように柔らか。バランスパッドの中で最も不安定な状態でトレーニングできるので、アスリートや完璧なバランス感覚を維持したい人にも最適。

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  • 【椅子に座って行うエクササイズの共通ポイント】

    背もたれがあり、足が床に着く高さの椅子を使います。
    ※肘かけがある椅子では運動が行いにくいプログラムがあります。

    ■座位が安定している方
    浅く腰掛け背筋を伸ばして身体がぶれないように運動を行うと、体幹の運動にもなります。

    ■座位が不安定な方
    背もたれに背中をしっかりつけて、上体を安定させた状態で行いましょう。

  • 【立って行うエクササイズの共通ポイント】

    転倒に気を付けて、マットから⾜が外に出てしまうなど、バランスを崩さないようにしましょう。

【使用上の注意】

●本製品は医師や理学療法士などの専門家の指導の下で使用してください。
●滑りにくい床で使用してください。滑りやすい場合は、エアレックスマットを敷くなど滑らないようにしてください。
●靴や体育館履きでの使用は避けてください。表面にキズが付く恐れがあります。
●フローリング等の床の上で使用する場合には、最初に製品を水拭きして接着防止用の粉(タルク)を除去してからお使いください。粉が床に付着すると、取り除きにくくなることがあります。万が一付着した場合は、鉄粉取り粘土などで粉を拭き取ってください。水で濡らすと目地に入り込んで逆に取りにくくなりますのでご注意ください。

【保管上の注意】

●1枚のマットは丸めてストラップで留めて保管できます。複数のマットを同時に保管する際は、スタンドに掛けたり平らにして保管が推奨されます。
長期間使用しない場合は、積み重ねて乾いた気温の高くない部屋に保管します。

【お手入れ】

●汚れた場合、やわらかいブラシや洗剤を含んだぬるま湯で洗い、水分をしっかりと拭き取り乾かしてください。
熱湯消毒などはしないください。
●保管する際は、専用の収集箱に入れて直射日光の当たらない平らな所に保管してください。本製品の上に長時間物などを置いたり重ねたりしたりすると、変形する恐れがあります。また、折り畳んだまま濡れたままで長時間放置するとマットの表面がもろくなったり、硬くなったりして劣化を早めることがあります。

 

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寝た状態で行うエクササイズ

【1】パピーポジション

肩甲帯の⽀持性とバランス能⼒を⾼めます。

準備:エアレックスマットの上にバランスパッドを置きます。

A:両肘をマットにつけてうつ伏せになります。
B:片手をできるだけ遠くへ伸ばします。

【ポイント】
・左右交互に行いましょう。
・腕を真っ直ぐ前に伸ばし、上方に上げすぎないようにしましょう。
・この姿勢で腰痛がある方は、中止しましょう。

 

 

【2】ヒップアップチャレンジ

股関節の⽀持性とバランス能⼒を⾼めると同時に、脊柱起⽴筋と殿筋群を鍛えることができます。

準備:エアレックスマットの上にバランスパッドを置きます。

A:仰向けになり、両足をバランスパッドの上に置きます。
B:お尻を浮かせます。
C:お尻を浮かせたまま、片足を伸ばします。

【ポイント】
・左右交互に行いましょう。
・Cの状態で姿勢を保持する時間を延ばすと効果的です。
・この姿勢で腰痛がある方は、運動を中止しましょう。

 

 

【3】プランク

肩甲帯の⽀持性とバランス能⼒を⾼めると同時に腹筋を鍛えることができます。

準備:エアレックスマットの上にバランスパッドを置きます。

A:両肘をマットにつけてうつ伏せになります。
B:体幹を意識しながら腰とお尻を浮かせます。

【ポイント】
・能力に応じてお尻を持ち上げる度合いを調節しましょう。
・Bの状態で保持する時間を延ばすと効果的です。

 

座った状態で行うエクササイズ

【1】左右バランス運動

坐位での体幹バランス能⼒を鍛えることができます。

準備:椅子の上にバランスパッドを置きます。

A:足を肩幅に開いて座り足裏を床につけます。

B:右方向へ体を傾け、左足を浮かせます。
C:左方向へ体を傾け、右足を浮かせます。

【ポイント】
・坐位バランスが不安定な方は、両足をつけたままで体を傾けることから始めるか、
手すりなどを利用しましょう。

 

 

【2】前後バランス運動

坐位での体幹バランス能⼒を鍛えることができます。

準備:椅子の上にバランスパッドを置きます。

A:足を肩幅に開いて座り、足裏を床につけます。

B:前方へ体を傾け、お尻を浮かせます。
C:後方へ体を傾け、お尻をパッドにつけます

【ポイント】
・坐位バランスが不安定な方は、お尻を浮かさず、体の前後運動から始めましょう。
・はじめは手すりなどを利用しても良いでしょう。

 

 

【3】膝曲げ伸ばし運動

坐位での体幹バランス能⼒を鍛えると同時に⼤腿四頭筋を鍛えることができます。

準備:椅子の上にバランスパッドを置きます。

A:足を肩幅に開いて座り、足裏を床につけます。

B:片足のももを上方に持ち上げます。
C:そのまま膝を伸ばします。

【ポイント】
・しっかりと足を持ち上げ、膝を伸ばすと効果的です。
・左右交互に行いましょう。
・痛みのない範囲で行いましょう。

 

 

【4】応用編

バランスパッドを2枚重ねにしたり、柔らかさの異なるタイプを重ねると難易度がアップします。

 

膝立ち歩行

【1】膝立ち歩行

股関節の⽀持性とバランス能⼒の向上が期待できます。

準備:マットの上にバランスパッドを3つ置きます。

バランスパッドの上を膝立ちの状態で歩行します。

【ポイント】
・バランスの悪い方は、まず膝立ちで静止することから始めましょう。
・膝などに痛みがある方は中止しましょう。
・この前方への膝立ち歩行が簡単にできる方は、横歩きや後ろ歩きに挑戦しましょう。

 

立って行うエクササイズ

【1】左右バランス運動

体幹と下肢の協調性のあるバランス能⼒を鍛えることができます。
準備:床の上にバランスパッドを置きます。


A:バランスパッドの上に立ちます。

B:片側の足に体重を掛けます。
C:体重を掛けていない足を持ち上げ、バランスをとります。

【ポイント】
・バランス能力に応じて、体重移動の量を調整しましょう。
・能力に応じてCの時間を延ばしましょう。
・不安な方は、手すりなどにつかまって行いましょう。

 

 

【2】バランス・スクワット

下肢全体のバランス能⼒を向上させるとともに⼤腿四頭筋や股関節周囲筋を鍛えることができます。


準備:バランスパッド2枚を前後に並べます。


A:後側のバランスパッドに立ちます。

B:膝を曲げスクワットします。
C:前側のバランスパッドに片足を乗せ、体重を掛けます。

【ポイント】
・バランス能力の低い方は、A⇔Bを繰り返しましょう。
・バランスの能力の高い方は、A⇔Cを左右の足交互に行いましょう。
・不安な方は、手すりなどにつかまって行いましょう。

 

 

【3】バランス・リーチ(前方)

体幹と下肢の協調性のあるバランス能⼒を鍛えることができます。

準備:床の上にバランスパッドを置きます。

A:バランスパッドの上に立ちます。

B:前方に両手を伸ばします。
C:可能なかぎり、さらに前方へ両手を伸ばします。

【ポイント】

・バランス能力に応じて、体重移動の量を調整しましょう。
・左右交互に片手ずつ行ってもかまいません。
・バランス能力の低い方は、Aの姿勢から体のみを前後に動かすことから始めましょう。
・不安な方は、手すりなどにつかまって行いましょう。

 

 

【4】バランス・リーチ(側方)

体幹と下肢の協調性のあるバランス能⼒を鍛えることができます。

準備:床の上にバランスパッドを置きます。

A:バランスパッドの上に立ちます。

B:横方向に両手を伸ばします。
C:可能なかぎり、さらに横へ両手を伸ばします。

【ポイント】
・バランス能力に応じて、体重移動の量を調整しましょう。
・不安な方は、両足をマットにつけたまま体重移動するか
手すりなどにつかまって行いましょう。

歩行バランス

【1】ボックスステップ

体幹と下肢のバランス能⼒を同時に⾼めることで転倒予防に役⽴ちます。

準備:バランスパッドを4つ写真のように並べます。

ボックス歩きをします。

【ポイント】
・転倒に注意しながら行いましょう。
・時計回り、反時計回りを交互に行いましょう。
・マットの中央に足を乗せるようにしましょう。

 

 

【2】ステップ昇降

体幹と下肢のバランス能⼒を同時に⾼めることで転倒予防に役⽴ちます。


準備:バランスパッドを4つ、ステップ台を並べます。


A:ステップ台に立ちます。

B:ステップ台から降ります。
C:向きを変えてステップ台を昇ります。

【ポイント】
・不安なら平行棒や手すりなどを利用して転倒に注意しましょう。
・バランスパッドの硬いタイプから始め、能力に応じてやわらかいタイプに変えてみましょう。

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【3】歩行トレーニング

歩⾏時に必要な体幹と下肢のバランス能⼒を向上させます。

準備:バランスパッドを2つ重ね、その上にバランスビームを重ねます。

バランスを取りながらマットの上を歩きます。

【ポイント】
・不安なら平行棒や手すりなどを利用して転倒に注意しましょう。
・バランスパッドの縁ではなく中央に足を乗せて歩きましょう。
・バランスパッドに乗せる足を左右交互に変えながら歩きましょう。

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