介護浴槽の法定耐用年数は6年。 ご購入後、末永くご愛用いただくための「介護浴槽の選び方」を紹介します。

POINT.1 想定するご利用者が入浴できるかどうか
「購入後、思っていたより利用者が入浴できなかった」という事もあります。
まずはじめに、対象となるご利用者の身体状況の想定を行いましょう。
介護浴槽にはご利用者の身体状況にあわせ3つのタイプがあります。
-
仰臥位入浴
ストレッチャーに乗り、寝たままの姿勢で入浴できる。身体機能が重度の方向け。
-
座位入浴
車椅子に乗り、座ったまま姿勢で入浴できる。自然な姿勢で入浴でき、入浴中の視界も広い。
-
ADL入浴
個別浴槽にリフトなどのサポート機能を加えたタイプ。
ご自身で浴槽縁をまたぐ動作等、リハビリを兼ねた入浴が可能。
ポイントは、将来まで見据え想定すること

導入直後は使えていた座位入浴装置が、ご利用者の重度化により入浴できないご利用者が増えてしまった・・・という実例もあります。
ご利用者の将来像をイメージしながら選ぶと、より末永くお使いいただけます。
POINT.2 入浴介護にどれだけスペースをとれるか
介護浴槽には大型/小型浴槽があります。
-
大型浴槽
【メリット】
浴槽内寸が大きいため、ゆったり入浴できる。
大柄なご利用者や姿勢制限のある方でも入浴しやすい。【デメリット】
より設置スペースを必要とする。 -
小型浴槽
【メリット】
コンパクトに設置できるため、スペースに余裕のない時に適している。【デメリット】
浴槽内寸が比較的小さいため大柄な方や姿勢制限のある
ご利用者の入浴には不向き。
浴室だけでなく、入浴介助一連の流れの必要スペースを想定しましょう。

必要スペースについて検討する際、浴室内の入浴介護の想定だけでは不十分です。
居室(ベッドサイド)から脱衣場へと移動して、脱衣、そして洗身・・・というように
入浴工程の一連の流れ全てを想定しましょう。
図面上で動線を確認したり、実際の製品で一連の動作を試す事でより具体的にイメージできます。
POINT.3 一週間(一日)、何人が入浴するか
介護浴槽によって、一日に入浴できる人数にも差があります。一般的にストレッチャータイプは2人1組での介助が多くなりますが、一日に大勢の方が入浴できます。一方、ADL入浴は大半の介護を介助者1人で行うことができ、個別ケアが実現できますが、1人あたりの入浴時間は長くなる傾向にあります。
1日(1週間に)何人を入浴させたいか、また、介助者は何人必要かをシミュレーションしましょう。
「入浴工程表」などを使うと、より具体的なシミュレーションができます。
【入浴工程表 ロベリアプラス 交互式の場合】
POINT.4 入浴方法を考えてみる
入浴方法には「貯湯式」「新湯式」「シャワー式」の3タイプがあります。
いずれの方式にも、メリット・デメリットの両方があり、最適な入浴方法はお客様の要望次第で異なります。
-
貯湯式
湯を浴槽に貯め、殺菌や足し湯により清潔を保ちながら入浴する方式。湯量(水道料金)を節約することができる。大型浴槽に多い。 -
新湯式
入浴毎に湯を全量交換し、それぞれのご利用者に新しいお湯で入浴いただく方式。衛生面には優れるが、使用湯量’(≒水道料金)は多い。湯量節約の観点から浴槽内がコンパクトになるため、小型浴槽であることが多い。 -
シャワー式
シャワーで全身を緩めながら、ドーム内で洗身もできる方式。湯につかるタイプと比べ「湯を貯める時間が不要で手間いらず」「フルフラット姿勢で入浴できる」等のメリットがある。
POINT.5 最も解決したい課題は何か、整理する。
上記のポイントの他にも、予算や設備条件などのさまざまな検討要素があり、すべての条件を満たせないこともあります。
(例)寝た姿勢であればより重度の方が入浴できるが、より多くの設置スペースが必要なる、等
一番大切な事は、導入により解決したい課題は何かを振り返り、優先順位づけをすることです。
弊社では課題の整理をはじめ、浴槽選びのお手伝いをしております。
気軽にお問い合わせください。