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(1)関節可動域の測定方法(概論)

現在、関節可動域の測定は日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会が提唱している方法が基準となっています。また関節可動域を測定する際に多関節筋が関与する場合には、原則としてその影響を除いた肢位で測定を行います。例えば股関節の屈曲可動域を測定する場合、ハムストリングスをゆるめるために膝屈曲位で測定するといったものがその一つです。

また関節可動域は、ゴニオメーターと呼ばれる専用の角度計を用いて測定し、結果は原則として5°刻みで表記します。ゴニオメーターにはいくつか種類がありますが、関節可動域を測定する際には対象の関節や部位によって適切なゴニオメーターを選択する必要があります。適切でないゴニオメーターを使用してしまうと、基本軸や移動軸のズレを招くことにつながり、結果として正確性に欠ける評価となる可能性があります。

それでは次のページから、それぞれの運動における関節可動域の測定方法および推奨のゴニオメーターについて紹介していきます。

 

※補足
・基本軸:基準(0°)となる軸。測定時に動かさないように注意する。
・移動軸:測定時に移動させる軸。
・参考可動域:関節可動域の参考値。関節可動域は人種や性別、年齢等による個人差が大きく検査肢位によっても変化があることから、あくまで参考値として記載されている。