お役立ち情報

(5)関節可動域の測定方法(頸部・胸腰部)

[頸部]屈曲(前屈)と伸展(後屈)

頸部に関する矢状面の運動で、前方への動きが屈曲(前屈)、後方への動きが伸展(後屈)である。

〈基本軸〉肩峰を通る床への垂直線
〈移動軸〉外耳孔と頭頂を結ぶ線
※頭部体幹の側面から測定する。腰掛け座位で行う。
〈参考可動域〉屈曲(前屈):60° 伸展(後屈):50°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)

[頸部]回旋(右回旋と左回旋)

頸部に関する水平面の運動で、右方に回旋する動きが右回旋、左方に回旋する動きが左回旋である。

〈基本軸〉両側の肩峰を結ぶ線への垂直線
〈移動軸〉鼻梁と後頭結節を結ぶ線
※腰掛け座位で行う。
〈参考可動域〉右回旋・左回旋:60°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)

[頸部]側屈(右側屈と左側屈)

頸部に関する前額面の運動で、右方向への動きが右側屈、左方向への動きが左側屈である。

〈基本軸〉第7頸椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線
〈移動軸〉頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線
※体幹の背面から測定する。腰掛け座位で行う。
〈参考可動域〉右側屈・左側屈:50°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)

[胸腰部]屈曲(前屈)と伸展(後屈)

胸腰部に関する矢状面の運動で、前方への動きが屈曲(前屈)、後方への動きが伸展(後屈)である。

〈基本軸〉仙骨後面
〈移動軸〉第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線
※体幹側面から測定する。立位、腰掛け座位または側臥位で行う。
〈参考可動域〉屈曲(前屈):45° 伸展(後屈):30°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)
※最大屈曲については、メジャーを用いて立位にて指先端と床との間の距離(cm)を測定する場合もある。

[胸腰部]回旋(右回旋と左回旋)

胸腰部に関する水平面の運動で、右方に回旋する動きが右回旋、左方に回旋する動きが左回旋である。

〈基本軸〉両側の上後腸骨棘を結ぶ線
〈移動軸〉両側の肩峰を結ぶ線
〈参考可動域〉右回旋・左回旋:40°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)

[胸腰部]側屈(右側屈と左側屈)

胸腰部に関する前額面の運動で、右方向への動きが右側屈、左方向への動きが左側屈である。

〈基本軸〉ヤコビー(Jacoby)線の中点にたてた垂直線
〈移動軸〉第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線
※体幹の背面から測定する。腰掛け座位または立位で行う。
〈参考可動域〉右側屈・左側屈:50°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)