Advance Sports & Rehabilitationアスリートの明日へ踏み出すチカラと、
それを支えるチカラ。
治療器は効果や根拠がはっきりしている心強い存在。

Jリーグ/プロサッカークラブ

アビスパ福岡

福岡市をホームタウンとするJリーグクラブ、アビスパ福岡は、J1への昇格、J2での優勝を目指して日々一丸となって奮闘している。2005 年からプロとして活躍、日本代表経験もあるディフェンダーの岩下敬輔選手。大学卒業後、2018 年から新たに加入したフォワードの木戸皓貴選手。トッププレイヤーとしてアビスパ福岡を牽引する二人の選手と、トップチームチーフトレーナーを務める宮田栄次トレーナーにコンディショニング、ケガとの向き合い方について話を聞いた。

アビスパ福岡
写真=大野勲男 文=丸山有美 2018/10/03

トレーナーは体のプロ。コンディショニングにおけるとても大きな存在です。

DF #11
岩下 敬輔
Keisuke IWASHITA

選手の皆さんは、毎朝必ずトレーナールームに行かれるのですか。

(宮田)ケアが必要な選手のみ、9時に練習が始まる1時間とか1時間半くらい前に来ています。
(木戸)練習中に気になるところがあれば、前日にトレーナーに症状を伝えてアポを取るようにしています。
(岩下)ぼくはケガも多いし選手としても年齢的に高くなってきたので、基本的に毎日早く来て、体がほぐれた状態を作ってから練習に臨んでいます。

練習の後はいかがですか。

(岩下)そのまま帰る選手もいますし、アイシングをしたり、トレーナーに触ってもらったり、専門の方にストレッチをしてもらったり、治療器を使ってトリートメントをしたり…人それぞれですね。若い選手の場合、まだ自分にあった治療法がわからずに手探りになってることもありますが、ぼくのように10年もやってる選手の場合、症状から体のどこに不調があるのかを自覚しているものなので、トレーナーとコミュニケーションをとりながら、その都度ふさわしいと思う治療やコンディショニングをしています。

FW #13
木戸 皓貴
Koki KIDO

治療器を使われることもありますか。

(岩下)ぼくは頻繁に使いますね。ラジオ波は毎日です。朝使うとすぐに練習に入っていける感覚があるんです。体が冷えているときに関節の痛みや筋肉の張りがあっても、温まってほぐれてくると痛みが取れて動きもスムーズになります。
(宮田)ラジオ波はとりわけ筋肉のケアによく使っています。練習の前なら筋肉のウォーミングアップを目的として温熱を入れ、練習の後ならケアを目的として、温熱を入れずに低出力で患部の治癒を促進させるという風に使い方を変えてます。ラジオ波は2台あるのですが、朝はいつもラジオ波渋滞になってます。
(岩下)入浴することでも体を温めることはできますが、それだと表面的です。関節の内部とか筋肉の深部まで温度を上げたいとなるとラジオ波しかないのではないかと感じています。ぼくの場合は足首と腿裏にあてることが多いのですが、それ以外にもちょっとでも痛みを抱えてるところはラジオ波で温めていますね。
(宮田)何度か使っていると選手ごとの出力設定が決まってくるので、我々トレーナーが手を離せないときなどは設定を伝えて自分でやってもらうこともあります。電気を入れながらラジオ波で温めるといった使い方もできますし。

ショックマスターのおかげで、ケガから回復までの期間が大幅に短縮されました。

圧力波治療器もお使いいただいていますが、Jリーグクラブで導入されているところはまだ少ないです。ショックマスター導入の理由はどこでしょうか。

(宮田)辛い痛みのケアに適しているところです。アビスパのグラウンドは少し硬いため、シンスプリントや骨膜の慢性的な痛み、アキレス腱や膝蓋腱の急性的な痛みの症状を起こす選手がいます。以前はマッサージや指圧などのケアを試みていました。でもショックマスターを使うことで、回復までの時間を大幅に短縮することができたんです。
(木戸)ぼくはシンスプリントに対して使いました。アビスパに所属したての頃は脛に痛みが出ることが多かったんです。トレーナーに初めてショックマスターをやってもらったとき、直後からだいぶ状態がよくなったという感覚があったので、その後も痛くなったらお願いしていました。

使用感はいかがでしょう。痛みが強すぎるということはありませんか。

(岩下)ぼくは足首に使っていますが全然平気ですね。たしかに最初の50回くらいはちょっと痛い感じがしましたけど、だんだん慣れてきてむしろ今は気持ちいいくらいです。
(木戸)圧力波の痛みはたしかにあるんですが、それよりも故障の痛みが取れて次の日に軽く感じられたので、効果に納得しました。よくなることを思えば我慢できますね。
(宮田)ショックマスターはあてる部位によっても感じ方が変わってきます。木戸選手の場合は脛でしたが、「骨に近いところは痛く感じやすいよ」と説明しながら使っていました。

フィジオアクティブHVも使っていただいていますが、電気の刺激はいかがでしょう。

(岩下)痛みには強い方だと思うんですが、これは刺激が小出しにくる感じがあるんですよね。ぼくは関節ネズミがけっこうあって、それがたまに動くと神経に触れて痛んだり、関節に炎症が出たりするので、その都度アクティブを使っています。効果を感じているので耐えられますが、くるぶしのあたりにあてるときは刺激が来るたびについ大きい声が出ますね(笑)。
(宮田)アクティブは刺激が独特ですし、やはりあてる部位によって感じ方の強弱に差があるのでびっくりする選手もいます。ぼくからは「こういうものなので大丈夫ですよ」と伝えています。

選手のケアには自信をもって取り組んでいますが、慢心することなく、常に自問もしています。

アビスパ福岡トップチーム チーフトレーナー
宮田 栄次
Eiji MIYATA

宮田トレーナーにとって治療器はどのような存在でしょうか。

(宮田)選手のケアには自信を持って取り組んでいますが、慢心することなく、常にこれでいいのかと自問もしています。その点で、治療器というのは根拠や効果がはっきりしたものですから、自分にとってはとても心強い存在ですね。

お二人はケガによるリハビリを経験されていますが、その期間はどのように過ごされましたか。

(岩下)自分が試合に出られるようになった時のことを考えていました。いまのチームだけでなく、過去に所属したチーム、一緒にプレーした仲間の活躍を見るとモチベーションに繋がります。それに、ケガをきっかけに、ふだんは深い話をする機会もないトレーナーから考えや経験を聞いて、その人のことを知りながら二人三脚で治療やリハビリに取り組むのは楽しくもありました。別のチームで膝の手術後にぼくを見てくれていたトレーナーと宮田トレーナーが一緒に仕事をされていたからなのか、アプローチの仕方や、触ってもらってる感じに似てるところがあり、そういう発見もすごく面白かったですね。

 

(木戸)ケガは筋力にも影響しますが、手術した後は筋力がとくに落ちます。ぼくも膝を手術しましたが、傷が癒えてからも膝が再び自分のものになってくるのには時間がかかりました。「ここで地道なリハビリをさぼれば、再発したり他のところを痛めたり、後に響くぞ」と自分に言い聞かせて過ごしていました。復帰後も筋力トレーニングとケアはずっとやっていかねばならないと思っています。あと、大きなケガをしたことで、以前はなんとなく張ってるなと思うくらいだったのが、具体的にどこが張っているのかわかるようになりました。岩下選手も言っていた通り、トレーナーと話す機会も増えました。おかげで体について学んだことも多く、症状を細かく伝えればそれに応えてくれるので、自分の体に対する意識が大きく変わったと感じています。

トレーナーと同じ熱量でいられれば、復帰も早くなると思っています。

岩下選手と木戸選手にとっての、トレーナーも含めたコンディショニングとはどんなものでしょう。

(岩下)長く現役でやっていくために欠かせないものであり、選手の活躍の半分くらいを負っていると思っています。ケガをして長期間離脱しているときでも、トレーナーと自分が同じ熱量でいられれば、治りも現場への復帰も早くなるといつも思っています。
(木戸)ケガを治したりパフォーマンスをもっと向上させるためには、治療器もそうですしトレーナーはもちろんそうですが、頼るべきところは頼るということが選手にとって肝要だと思っています。体のプロであるトレーナーはコンディショニングにおけるとても大きな存在です。

最後に宮田トレーナーからアビスパ福岡のトレーナーとしての夢、目標をお聞かせください。

(宮田)選手とトレーナーは立場は違えども同じチームで同じ目標をもって戦っています。J1昇格、J2優勝というチーム全体の目標と、一人でもケガでの離脱を減らすことです。我々も裏方として全力でサポートしていきたいです。

Jリーグ/プロサッカークラブ

アビスパ福岡

(あびすぱふくおか)

※写真右より順不同

宮田栄次(みやた えいじ)1970 年11月10日生まれ。
柔道整復師。
アビスパ福岡トップチーム チーフトレーナー。

木戸皓貴(きど こうき)1995 年6月28日生まれ。
熊本県出身。身長176cm、フォワード。背番号13。
全国高等学校サッカー選手権大会 優秀選手(2014 年)
U-18日本代表(2014 年)
東福岡高校‒明治大学‒アビスパ福岡(2018-)

岩下敬輔(いわした けいすけ)1986 年9月24日生まれ。
鹿児島県出身。身長181cm、ディフェンダー。背番号11。
日本代表選出(2009年)
鹿児島実業高校‒清水エスパルス(2005-2012)-
ガンバ大阪(2013-2016)‒アビスパ福岡(2017)

アビスパ福岡 使用製品