ニッポンレンタカーサービス株式会社 様
全国にある営業所のカウンターおよび送迎車内に、ウイルスの不活化が期待できる低濃度オゾン発生装置「エアネスシリーズ」を導入するなど、いち早く、安全安心への取り組みを推し進め、コロナ禍の難局にも柔軟に立ち向かってきたニッポンレンタカーサービス株式会社様(以下ニッポンレンタカー)。需要が乱高下を繰り返す中で、自ら陣頭指揮を執り、さまざまな改革を進めてきたという藤原徳久社長に話を聞いた。
コロナ禍によって旅行や出張需要が大きく減少し、インバウンドについては、ほぼ消滅するという状況に。
-このたびのコロナ禍で大変だったことや、現在の業界の状況について教えてください。
2020年は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による移動制限で、これまで主力だった国内観光旅行の需要や出張需要が大きく減少し、インバウンドについては、ほぼ消滅するという状況でした。
それまでレンタカー業界は「所有から利用」という大きな流れがあり、当社も毎年2桁成長を続けていて、車も人も営業所も増やしていた真っ只中。正直、このままでは会社がもたないと感じ、すぐに余剰車両を売却したり不採算営業所を閉鎖したりして、会社規模が適正になるよう努めました。
ただしばらく時間が経つと、きちんと清掃や除菌された車両というのが、安全安心の観点から注目されるようになってきました。3密を避けながら近場を旅するマイクロツーリズムなどの新しい需要が生まれ、通勤手段として公共交通機関の代わりにレンタカーを選ばれるお客様も増えました。そうやって徐々に業績は回復し始め、最近は、コロナ前の8〜9割程度で推移しています。
営業所の直営化、組織改編により安全安心の取り組みもスムーズに全国展開が可能に。
-その間、経営戦略に変化などはありましたか?
コロナ前の業績拡大期に、それまでのフランチャイズシステムを廃止し、全国直営化方式へ移行していたことが功を奏したと感じています。従来だと、例えば、ある時期に首都圏へ車を集めたいと考えても、なかなか思うように実現できなかったのが、直営化によってフレキシブルかつタイムリーに行えるようになり、このことも、コロナ禍を乗り切る原動力の一つになったと考えています。
昨年はさらに組織改編を行い、全国の事業会社を束ねる業務推進部の権限を拡大させました。それにより、コロナ対策として欠かせなかった安全安心への取り組みについても、スムーズに全国展開が可能になりました。
トップダウンの施策だけでなく、現場の声をいち早くピックアップする機能。
-改めて、コロナ禍に取り組まれた安全安心の対策について教えてください。
真っ先に取り組んだのは、営業所の安全対策です。飛沫防止のためのアクリルボードやビニールシート、それからお客様向けの手指消毒液をすぐに設置し、店舗内の清掃や除菌も徹底しました。また、レンタカーの貸渡し時には、通常の車両清掃に加え、ハンドルなど、特に手が触れやすい部分の除菌を実施し、これにはエアラインやホテルなどで採用されている高性能な除菌消臭剤を使用しています。
ちなみに、さきほどお話した業務推進部は、トップダウンで施策を進めるだけでなく、現場の声をいち早くピックアップする機能も担っています。例えば、除菌が終わった車両は除菌済みのタグを必ず掲出するというルールや、ごみを媒介にした感染リスクを低減するために始めたバイオマス配合ポリ袋の配布などは、従業員たちのアイデアから生まれたものを具現化しています。
エアネスは全国にある575営業所と、主要な空港などにある送迎車67台に設置しています。
-当社の低濃度オゾン発生装置「エアネスシリーズ」はどのようなきっかけで導入されたのでしょうか。
より一層の安全のために、何か室内空間を快適にする製品はないものかと探していたところ、医療機関やタクシー会社などでも導入されている信頼できる装置があると聞いて、導入を決めました。その優れた性能もさることながら、空港の送迎車に設置するのにちょうどよいサイズ感と、個人的にはスマートなデザインが大変気に入っています。
お客様からも従業員からも好評で、現在は、全国にある575営業所と、全国の主要な空港や新幹線の駅にある送迎車67台に設置しています。特に、法人の常連さまから「かわったものをつけているね」と声をかけられることが多いそうで、当社の従業員が設置に至った経緯などを説明すると、とても羨ましがられると話していました。
派手な施策や表面的な取り組みではなく、基本に忠実に、より安全で安心な環境を提供しようと取り組んだことなので、得られた結果は「図らずも…」というのが正確な表現になりますが、こうした安全安心というブランドは、これからの時代、企業の大きな付加価値になっていくと感じています。
顧客満足度だけでなく、従業員満足度の向上も欠かせない。
インタビュアー:酒井医療 セールスイノベーション部
-コロナの影響が長期化する中で、安全安心への取り組みに変化などはありましたか?
「安全安心対策は、どこの企業も取り組むのが当然」というのが今の状況だと思います。そうした中で、気を緩めることなく、むしろ逆に取り組みを徹底することで、お客様に「ニッポンレンタカーはそんなことまでやってくれるのか」と思っていただけるようになればいいのかなと考えています。昨年リニューアルした当社の新しいCMコンセプト「乗る人のしあわせを想う。」も、まさにそうした考えから生まれたものと言えます。
また、先程紹介した「エアネスシリーズ」やポリ袋のサービスなどは、お客様の安全に加え、従業員が安心して働ける環境づくりにも力を入れていこうと考え、スタートさせた取り組みです。業績を伸ばすためには、顧客満足度だけでなく、従業員満足度の向上も欠かせないということを、今まさに実感しているところで、今後は労働環境の改善という視点でも、安全安心への取り組みと向き合っていきたいと思っています。
メンバーズカードのデジタル化や事前決済システムの導入など、受付業務のDXを急ピッチで推進。
-ポストコロナを見据えて新たに取り組まれていることがあれば教えてください。
新たな変異ウイルスのリスクも含め、これからも接触機会の低減に向けた取り組みは続けていくことになるでしょう。そうした中、ニッポンレンタカーでは現在、メンバーズカードのデジタル化や事前決済システムの導入など、受付業務のDXを急ピッチで進めているところです。
また6月には、レンタカーとカーシェアの中間的存在になることを目指した「セルフレンタカーサービス」のトライアルも開始する予定です。これは、営業所に足を運ぶのは面倒だけれど、借りる車両は清掃や除菌がしっかりされたものがいいという利用者のニーズに答えるもので、これからの時代の新しいサービスとして定着させることができればと考えています。
また、今回のコロナ禍では、需要が急激に落ち込んだり、反対に急激に回復したりすることを何度も経験しました。今後は、こうした悩ましい課題にも柔軟に対応できるよう、ダイナミックプライシングの実現も真剣に検討していきたいと考えています。
ニッポンレンタカーサービス株式会社
代表取締役 社長執行役員
藤原 徳久 様
一橋大学商学部卒。1985年4月第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行、2013年5月みずほデリバリーサービス社長、2019年3月ニッポンレンタカーサービス取締役。2020年3月より現職。1962年8月生まれ、59歳。愛媛県出身。
施設情報
名称 | ニッポンレンタカーサービス株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区神田練塀町3番地 富士ソフトビル14階 |
営業所 | 全国575営業所(2022年5月現在) |
企業紹介 | ニッポンレンタカーサービス株式会社は、「ニッポンレンタカー」ブランドで展開するレンタカー・カーリースなどモビリティ事業の統括会社。 1969年の創業以来、50年以上にわたり、業界のトップランナーとして新しい挑戦を続けられています。 レガシーである「車両・接客・店舗」の三大品質の 追求とともに、デジタルを活用した新サービスの創造に取り組み、お客さまサービスの充実を図っています。全国の営業所では、地域に密着したサービスも提供し、地元観光活性の一翼を担っています。 |
※事例紹介に掲載している取材記事、固有名詞、数値などの情報は取材時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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