導入事例
自立支援の観点から、ご利用者が入浴方法を選べることを重視しました。

大阪府大阪市

介護老人保健施設 聖和苑 様

-浴室を改修するに至った経緯をお聞かせください。
施設の方針の一つである自立支援の観点から、ご利用者が入浴方法を選べ、かつ安全に入浴できることが重要と考え、3 種類(個浴、座位入浴装置、一般浴槽)しかない浴槽を増やすことにしました。それぞれのご利用者の身体機能にあった入浴を提供するためには、座位入浴装置と個浴の間の浴槽が必要でしたので、使用していない3 階浴室のシャワーバスを撤去し設置することにしました。
―様々な浴槽の中で、ユニバスを選ばれた理由を教えてください。
ユニバスは、車椅子でも入浴ができ、個浴としても使える「座位入浴装置と個浴の間になれる」ことが決め手でした。また、改修前は浴室内になかった脱衣スペースを設けたかったので、「コンパクトで省スペースに設置できる」ところもよかったです。

ユニバス導入により、フロア間を移動する負担と時間を削減することができました。

-浴室改修後、どのような変化がありましたか?
1階にある座位入浴装置を使う方が居なくなり、3階のユニバスで入浴できるようになりました。結果、2~4階にある居住スペースから浴室までの移動距離が短縮でき、移動介助の負担と時間を削減できました。また、削減できた時間を本来の入浴サービスの時間に充てることで、ご利用者にも喜んでいただいています。改修の目的であった、ご利用者それぞれの身体機能にあった入浴も提供できるようになりました。

脱衣、洗身、入浴、着衣スペースを分け、介助動線が重ならないようにしました。

-浴室改修のポイントを教えてください。
脱衣、洗身、入浴、着衣スペースをそれぞれ分け、介助動線を入浴の流れに沿った一方通行としました。これにより入出浴の動線が重ならずスムーズに入浴介護できます。

シャワーカーテンを設けることで、改修前にはなかった脱衣スペースを新設しました。脱衣する方と入浴する方、それぞれのプライバシーに配慮しています。

脱衣スペースには手すりとレストテーブルを設置。手すりを掴むか、レストレーブルに寄り掛かるか立位保持しやすい方法を選ぶことができます。

着衣スペースにも手すりを設け、手すりを掴みながら着衣できるようにしています。

改修前、浴室掃除の時には桶で水を汲んで浴槽や床にかけていました。今回、ホース付の散水栓を設置したため清掃作業が楽になりました。

-入浴介護に限らず、ご施設でノーリフトケア®を実践されていると伺いましたが、その経緯を教えてください。
今から3年前に介護のやり方について抜本的な見直しを行いました。当時は抱きかかえ移乗を行っていましたが、殆どのスタッフが腰痛に悩んでおり、腰痛が原因で離職される方もいました。さらに、抱きかかえ移乗はご利用者を緊張させ、身体に負担をかけることで拘縮を進行させる一因になっていました。そこで、スタンディングリフトと天井走行リフトなどを導入しノーリフトケア®を実践することにしました。
―実践する上で苦労された点、また、導入効果はいかがでしょうか。
ノーリフトケア®を導入したものの、経験豊富なスタッフほど、従来のやり方である抱きかかえ移乗に頼りがちなので、福祉機器を確実に使ってもらえるまでは時間がかかりました。定着させるために、何故福祉機器を使わなかったのかをヒアリングし、出てきた課題を地道にクリアしていきました。結果、以前はスタッフ全員がコルセット巻いていましたが今は殆ど使われていませんし、腰痛に悩むスタッフも減っています。それに、ご利用者の状態改善にもつながる良い結果が出ていますので、ノーリフトケア®は今後も続けていきたいと考えています。

お話を伺った方

介護福祉士
須藤 起佐 様

 

施設情報

施設名称 介護老人保健施設 聖和苑
入所者数 100名 通所リハビリ20名
所在地 大阪市住吉区帝塚山東2丁目1番35号
ホームページ http://www.tezukayama.or.jp/seiwa/

※事例紹介に掲載している取材記事、固有名詞、数値などの情報は取材時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

納入機器

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