導入事例
病棟時間の課題解決~病棟時間をリハビリ時間へ~

東京都八王子市左入町461

医療法人社団KNI 北原リハビリテーション病院 様

北原リハビリテーション病院は、東京都八王子市を拠点とする医療法人社団KNIのグループ病院である。限られたリハビリのゴールデンタイムを活かすために急性期病院より早期に転院を受け入れており、短期間に集中的なリハビリテーションや、外出訓練を取り入れるなど自立に向けた積極的な介入を行っている。また院内には牧場や畑、温泉などが併設されており、集中的リハビリテーションと休養のバランスを計ると同時に患者さんが能動的に動きたくなるよう仕掛けが施されている。今回はそんな特徴を持つ施設において、WILMOを導入した経緯と使用方法についてインタビューを行った。

患者さん自らが装着できる点や電極位置調整などがとても簡単で驚きました。

-WILMOを選定された理由を教えてください(西尾先生)
回復期病院として、いかに個別リハビリ時間外を有効活用するかが病棟のテーマのひとつでした。様々な機器を探したのですが、その中のひとつにWILMOがありました。随意運動をアシストできるプログラムが搭載されており、他の機器と比べて小型で簡単操作という点が、病棟使用に適していると考えました。実際にデモ機をお借りして使用したのですが、患者さん自らが装着できる点や電極位置調整などがとても簡単で驚きました。まさに自分たちのテーマに合った機器ということもあり、導入することを決めました。

家事等の生活動作練習に組み合わせ使用することもあります。

-院内での使用方法の事例を教えてください(荻野先生)
リハビリ中に手や前腕の動きを出したいときはもちろんですが、家事などの生活動作練習に組み合わせ使用することもあります。また機器の特性を生かし、自身で使用できそうな患者さんにはリハビリ時間外で貸し出しを行うケースもあります。その場合、まずはリハビリ時間内に使用方法や設定などを一緒に確認しておきます。そうすることでスムーズに病棟生活での使用に移れると思います。さらにWILMOに慣れてきた患者さんの場合は、状況にあわせて使用時間や貸出期間を延ばしたりすることもあります。

操作が簡単という意見が一番に多いです。

-WILMOを使用するスタッフや患者様の反応(荻野先生)
スタッフ、患者さん含めて操作が簡単という意見が一番に多いです。私も入職1年目に初めてWILMOを触りましたが、どの機器より使い方が分かりやすかったです。具体的には操作ボタンを押していくだけで設定が完了する点や、モーターポイントの微調整が簡単なあたりが好印象に繋がっています。
当院には電気刺激装置の使用経験が少ないスタッフもいますが、簡単な操作なので患者さんへの説明も負担感は少なく、結果として使用頻度も高い機器になっています。

やはり生活場面でも使ってもらうことが重要。

-WILMOの上手な運用方法(久保先生)
やはり生活場面でも使ってもらうことが重要だと思っています。
もちろん、効果を感じてもらえないと生活場面で使用する意欲がわかないので、この動作はWILMOを使うとやりやすいというイメージを持ってもらえるよう「適切な刺激設定」と「課題の難易度設定」にするよう心掛けています。ある例ですが、退院後に復職希望のある方に対して、病棟でのWILMO貸出しと自主トレーニングの提案をしました。
外来でのフォローアップを予定していた為、院内で貸出し制度を作り退院後もWILMOを通院しながら使用してもらっています。ご本人の努力の影響も大きいですが、退院後2ヶ月ほどで完全復職に辿り着くことができたケースでした。

良かった点は、現地のスタッフや患者さんでも理解できる作りだった事。

-WILMOを使った新しい取り組みについて教えてください。(西尾先生)
2016年にカンボジアの首都プノンペンに救命救急センターであるSunrise Japan Hospital Phnom Penh(SJH)を開院しました。カンボジアは医療従事者が少なく、回復期病棟もないため、機能的に向上が期待される方に対しても適切な量と質のリハビリが提供できないことが悩みでした。そこで外来患者様にWILMOの貸し出しと遠隔リハビリをセットにするサービスを開始しました。オンラインではWILMOの使用状況や動作確認を行いつつ練習量を確保します。そして定期的に外来でフォローアップするという形で質を担保しました。WILMOが良かった点は、現地のスタッフや患者さんでも理解できる作りだったことだと思います。国を超えても簡単に使えるWILMOは、医療体制の整っていない国で活動する我々にとって心強い機器となっています。

生活期に寄れば寄るほど真価を発揮する機器だと思います。

-WILMOに対する今後の期待について(久保先生)
前腕に使用するのが主な使い方だと思いますが、院内では前脛骨筋への使用も行っています。パットの形状が下腿や棘上筋などの肩周囲に対応したものがあると、より幅広い症例に対応できると感じています。またお気に入りの色にカスタマイズできるシリコンケースなどあれば、患者さんは「自分のWILMO」という感覚で使用頻度が増えるのでは?
と思いました。生活期に寄れば寄るほど真価を発揮する機器だと思いますので、これからも進化してくれることを期待しています。

お話を伺った方

西尾匡紀 先生 役職:理学療法士/海外事業部長

業務歴:2009年~急性期総合病院、回復期病院勤務
2014年~医療法人社団 KNIリハビリテーション科 科長
2016年~SJH立ち上げとしてカンボジア・ラオスでの海外勤務
2018年~回復期病院と海外事業を兼務

久保文郁 先生 役職:作業療法士/OT部署主任

業務歴:2012年~医療法人社団KNIにて急性期、回復期病院勤務
2015年~訪問リハビリテーションを兼任
2016年~回復期新棟の立ち上げに従事、デジタルホスピタル事業を兼任
2017年~東京都立八王子東特別支援学校外務専門家非常勤勤務

荻野舞 先生 役職:作業療法士

業務歴:2020年~医療法人社団KNIにて急性期、回復期病院勤務
新卒教育、心臓リハビリテーション、就労支援に関わる

施設情報

施設名称 医療法人社団KNI 北原リハビリテーション病院
所在地 東京都八王子市左入町461
ホームページ https://reha.kitaharahosp.com/

※事例紹介に掲載している取材記事、固有名詞、数値などの情報は取材時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

納入機器

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