導入事例
計測場所を選ばず、短時間で結果が出せるのが一番のメリットだと思います。

埼玉県ふじみ野市

文京学院大学 保健医療技術学部 様

計測場所を選ばないことで可能性が広がる。

-まず、マイオモーションを御導入いただいた経緯について教えてください。
光学式の3次元動作分析はずっと使っていて、本学にももちろんあるんですが、やはり計測や解析に時間がかかるのと、理学療法と作業療法がオーバーラップする部分があって、その一つがADL・着衣動作のような動作なんですけど、光学式だと反射マーカーが見えないと計測自体ができないので、そういう動作だとマイオモーションのようなものの方がうまく動作を見ることができるんじゃないかというところが、きっかけだったと思います。カメラでマーカーを映さなくていいっていうのは、例えば狭い場所とか階段とか要するに全然視野に入らないところでも計測できるわけですから、計測場所を選ばないということで可能性は広がると思うんですよね。ですから理学療法学科と作業療法学科と共同で希望を出したんです。それと元々ノラクソンの筋電計があったので、筋電計と同期させて使うにあたっては、同じシステムの中で処理ができるので、同期の問題が無いというのが大きかったですね。

関節角度がリアルタイムで出る。短時間で結果が出せるのが大きいです。

-ご使用になってマイオモーションの良いところは何だと思われますか。
計測エリアを広く取れるというのは大きいと思うんですよ。カメラの中に入らないとだめだというのは光学式の難点なので。私は障がい者スポーツのサポートに携わっているのですが、例えば以前光学式のものでブラインドサッカーの計測をしたことがあって、目隠しした状態の選手にドリブルをしてきてもらって計測エリア内に入ってもらってシュートしてもらうという計測にトライしたんですけど、まあ難しかったですね。実際にそのブラインドサッカーの競技自体がコーラーという声をかける方がゴール裏に居て、選手はその指示で動いていくんですけど、それをやってもらっても計測エリアに入ってくれるかというのもありますし、カメラの方にボールが飛んで来ないようにカメラの前に立って防御しなくてはなりませんでした。マイオモーションはその辺の苦労がいらないのと、関節角度がリアルタイムで出ますからそれは大きいですよね。現場だと卒業研究とかもそうですけど、解析に大変な手間がかかっちゃいますよね。だから短時間で結果が出せるっていうのが一番のメリットだと思いますね。筋電図に関しては細かいデータ処理しようと思うとテキスト出力して表計算ソフトをで使うこともあるんですが、関節角度に関しては一発で出てきてくれるのでそこは非常に良いと思います。

個人的には肩の動きをどこまで追えるかを摸索しています。

-逆にマイオモーションで足りないところや改善して欲しい点があれば教えていただきたいのですが。
本当は関節モーメントが入って、関節モーメントと筋電図と関節角度とっていうふうになってくると一番なんですけど、多分住みわけなんでしょうね。光学式と同じことをする必要は無いですし。細かいことで言えばセンサー自体がもう少し小さくなってくれると良いかなとは思うのと、あとは時間はかからないんですが、磁場の問題でキャリブレーションの場所を選ぶので、もう少しどこでもできるようになるといいですね。自分自身は、肩の動きをひとつテーマにはしているので、肩甲骨の動きというのがやっぱり欲しいんですけど、なかなかそれは光学式であっても難しいところではあるので、それをこのモーションセンサーでどこまでできるかを模索している所です。あとは値段が安くはないですよね(笑)

日常に即した動作を計測するには良い機械だと思います。

-実際にどんな場面でマイオモーションや筋電計が活躍しているか具体的な事例があれば教えてください。
卒業研究で学生が使用していて、去年は側方リーチ動作を殿筋の筋活動と合わせて計測したんですけど、トラブルなく計測できました。重心動揺計と同期させて計測したんですけど、違う機械とでも同期信号を入れましたので、特に問題はなかったですね。卒業研究は本学の場合2か月から3か月でやってるんで、そうすると光学式の3次元だとそっちの処理がまず大変ですから。あと前回の肩の運動機能研究会で発表したんですけど、結帯動作を計測したかったので、そういった日常に即した動作を計測するのには良い機械ですね。筋電計も昔の有線のシステムの時は結構いろいろあったんですが、それに比べるとほんとにトラブルが少なくて波形もノイズが乗りにくくなりました。

パラアスリート達にどんなサポートが可能か広めていきたい。

-先ほどからお話のある障がい者スポーツにはどのような形で携わっていらっしゃるのですか。
日本パラリンピック協会にスポーツ医科学サポート事業というのがあって、その中に心理とか栄養とかトレーナー部門とかそういう部門がいくつかあるんですけど、その中の1つにバイオメカニクスという部門があって、そこでお手伝いをさせてもらっています。メンバーのほとんどが理学療法士です。ですから要請があれば様々な競技に携わるんですけど光学式の動作解析だと解析に時間がかかるんで、計測後すぐにデータ下さいって言われたときにじゃあ誰がそれを処理するんだって話になるんですよ。そうすると長期休みとかですね、お互いの時間の都合がつく時しか無理なので。マイオモーションならば外へ持っていくこともできるし、計測場所も比較的自由ですよね。障がい者スポーツに限って言えばですけど、車いすありき みたいな健常者のスポーツと違う特性というのがあって、車いすの駆動のような計測は光学式の動作解析装置よりマイオモーションの方が適しているのではないかと思います。バイオメカニクス部門がどんなサポートができるか広めていく必要がありますし、将来的には例えば地方でのタレント発掘とかの機会に計測ができたりとかできればいいなとは思っています。ただここ何年か計測させてもらって、なかなか出力の部分が難しいってことはあります。一つは比べる対象が無いんです。モデルとなるものが無いし、障がい者の方がそれぞれ違う、例えば車いすラグビーでも麻痺のレベルによって選手ごとにポイント割り振られていて、一定のポイントでチームを編成しないといけないので、チームには色々な機能レベルの選手が混ざっているんですよね。だからそれらの選手の動きをそのまま比べるわけにはいかなくて。

将来的には各競技団体で動作分析ができるようになればいいですね。

-2020年にはパラリンピックが東京で開催されますが何か環境の変化はありますか。
今まではオリンピック関係だけだったナショナルトレーニングセンターがパラアスリートにも開放されたりとパラアスリートにも関わるようになりました。だからそういうのも長い目で見ていったらパラスポーツが広がるということだったり、パラスポーツに科学的な視点が持ち込まれてくるきっかけではあるかと思います。いま自分たちがやっていることは各競技団体にトレ-ナーや科学スタッフがちゃんと根付いていくまでの橋渡しだと思うんです。理想的には将来的に各競技団体で動作分析ができてっていうかたちにできればいいんでしょうね。最近では大会なんかで各都道府県からチームが出てくると、そこには理学療法士やトレーナーが帯同してきていることも増えてはきているんですけど、じゃあそれが選手のパフォーマンスにってところまではまだまだだと思うんですよね。

計測を通じ、学生の啓発にも役立っています。

-そういった中で我々企業などに対するご要望などがあれば教えてください。
この前にも車いすラグビー選手の計測の協力をしてもらいましたけど、ああいう計測場面ていうのは通常の研究なんかとは違って一発どりですよね。ミスして計測できなかったからまた今度っていうのは難しかったり、健常者の計測からは想定できないトラブルがあったり、選手には練習時間を削ってもらってるので、そういう意味では技術的なサポートを含めて企業の方と一緒にやっていただいたり、会社の仕事の一環として企業の方に関わってもらえるようになるとお互いの立ち位置で仕事ができるからいいのかなとは思っていて、そうスタンスで関わっていただいているので、そういのはありがたいって思います。サポートスタッフの方の話ですけど、毎年1年生に声かけるんです。もしちょっと興味あったらグループに入ってもらってということで。で、やっぱり何人か手を上げてくれて、毎年続けているのでいい連鎖ができてくれて、国際大会の観戦に高校の友達誘ってくれたりというようになってきたりしてます。こういう計測を通じてうちの学生に関しては啓蒙・啓発みたいなことにも役立っているのでありがたいなとは思います。

お話を伺った方

文京学院大学 保健医療技術学部
理学療法学科 教授
山﨑 敦  先生

施設情報

施設名称 文京学院大学 保健医療技術学部
所在地 埼玉県ふじみ野市亀久保1196
ホームページ https://www.u-bunkyo.ac.jp/

※事例紹介に掲載している取材記事、固有名詞、数値などの情報は取材時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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