神奈川県鎌倉市岡本1370番1
医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院 スポーツ総合診療センター 様

アスリートのために、プロフェッショナルがタッグを組んで医療にあたる


-スポーツ総合診療センター創設の経緯や理念について教えてください。
高森先生:私がスポーツ総合診療センターに着任したのは、湘南鎌倉総合病院の小林修三院長の、「スポーツには総合診療が不可欠だ」という考えと、私が長年指針としてきた「アスリートを中心に据えた医療」への思いがぴたりと合致したからです。
ラグビー日本代表チームに帯同したり、ニュージーランドに医学留学したりした際、海外のスポーツ医の多くはGP(ジェネラルプラクティショナー)であることを知りました。例えば日本では、足を捻挫したら整形外科に行きますが、海外ではまず多様な医療ニーズに対応できるGPを訪ねるのが一般的。スポーツ医学の問題は、整形外科の知識だけでは解決しません。スポーツ医=整形外科医という枠にとらわれない、「スポーツ総合医療」という考え方が重要だと実感しました。
私たちの思いは、当センターが掲げる理念「Athlete-Centered SPORTS MEDICINE」に集約されています。ひとりのアスリートを治療するときには、総合内科医、PT、AT、そして婦人科や小児科のスタッフなど、さまざまなスペシャリストが連携し、同じ立場で発言できることが大切です。責任を持つのは医師ですが、関わるすべての人たちのベクトルはアスリートへ向いている。これが、当センターが追求する姿勢です。
中田先生:アスリートの背景までを考慮して、ベストな治療方針を選択する。高森先生のそんな「アスリートファースト」の考え方に、以前から強く共感していました。その考えが主軸なので、スポーツ総合診療センターでは、内科的側面も含めてアスリートをトータルサポートできる。この点が、当センターの特徴でありメリットだと思います。
アスリートの身体をトータルで診ることで、より適切なタイミングでリハビリテーションを取り入れられる

-「Athlete-Centered SPORTS MEDICINE」のアプローチについて、詳しく教えてください。
高森先生:手術をしたら終わりではなく、アスリートのことを最後まで診る。長い治療期間中、それぞれのフェーズによって主となるスタッフは異なります。リハビリテーションにおいては、PTの先生がいちばん効果的な方法を理解しているはず。最終ゴールを話し合いながら、良いと思った方法を積極的に取り入れてもらっています。
中田先生:アスリートは、関節や筋のトラブルだけでなく、内科的問題を抱えていることも少なくありません。例えば、栄養士が入院中の筋量を維持できるよう栄養を管理し、我々PTが手術翌日から適量のリハを行うといった連携を図ることで、競技復帰までの日数を少しでも短縮できるようにする。頻繁に疲労骨折する女性アスリートには、運動療法だけでなく、婦人科医による治療も同時に行うといった方法をとることが、当センターの特徴的な取り組みです。
バイオデックス システム4での客観的な評価が長期に及ぶ治療のモチベーション維持に役立つ


-酒井医療の評価機器や物理療法機器を採用いただいた理由を教えてください。
高森先生:治療の過程では、客観的な指標が必要です。そのための測定器として、科学的なエビデンスと、広く使われてきた実績があるバイオデックス システム4を導入しました。
手術前後の評価はもちろん、中高生たちのメディカルチェックにもバイオデックス システム4を活用しています。成長を目に見える形で自己確認し、それがモチベーションになることを期待しています。いずれは、こういう子はこういう怪我をしやすいという関連性が見出せれば、予防にもつなげられると考えています。
中田先生:バイオデックス システム4は、ぜひ導入してもらいたいと考えていました。半年から1年に及ぶリハのなかで、今の状態を数値で示すことは、本人が回復を実感するきっかけとなり、モチベーション維持に役立ちます。
また、必ず導入したかったのはショックマスターです。腱障害など、変性した患部に対して直接的に治療できるのは、ショックマスターならでは。加えて超音波治療器やハイボルテージ治療器も、硬くなった奥深くの患部に温熱を加えたり、首や肩の神経障害の鎮痛など、適応範囲が広く重宝しています。
スポーツ総合医療の意義を広め、アスリートたちのゆたかな人生を支えたい
-今後の展望について教えてください。
高森先生:「ここに来ればなんとかしてくれる」。アスリートたちにそう思われるセンターを目指したいですね。そのためには「スポーツ総合診療」という考え方を、日本に浸透させることが私たちの使命だと考えています。スポーツというツールを使って、アスリートたちが楽しく快適な生活、そしてゆたかな人生が送れることを願っています。
中田先生:物理療法はちゃんと理解すれば、適応範囲は想像以上に広く、目的に沿った治療効果も得やすい。これからも運動療法と物理療法を両輪として活用し、スポーツ理学療法を日本中に広めていきたいです。
お話を伺った方
スポーツ整形外科部長 高森 草平 先生
【略歴】
2005年 愛媛大学医学部医学科 卒
【認定等】
JSPO公認スポーツドクター
PHICIS Level3
【チームドクター】
2013-2016年 U20ラグビー日本代表/Jr. JAPAN チームチームドクター
2016-2018年 カンタベリー/クルセーダーズ ピッチサイドドクター・チームドクター
2019年 サンウルブズチームドクター・RWC2019組織委員会メディカルアドバイザリーグループ/トーナメントメディカルアシスタント
2019年6月-2023年 15人制男子ラグビー日本代表 チームドクター(RWC2019/2023)

お話を伺った方
理学療法士 中田 周兵 先生
【略歴】
2009年 北海道大学医学部保健学科 卒
2011年 札幌医科大学大学院保健医療学研究科博士前期課程 修了
【認定等】
日本理学療法士協会 認定理学療法士(スポーツ理学療法・臨床教育)
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
神奈川県理学療法士会 理事(スポーツ局 副局長)
神奈川県スポーツ協会 スポーツ医科学委員会 トレーナー部会員
【チームトレーナー歴】
2015年〜2023年 B.LEAGUE 横浜ビー・コルセアーズ メディカルトレーナー

施設情報
施設名称 | 湘南鎌倉総合病院 スポーツ総合診療センター |
---|---|
所在地 | 神奈川県鎌倉市岡本1370番1 |
ホームページ | https://www.skgh.jp/department/sportsmedicinecenter/ |
※事例紹介に掲載している取材記事、固有名詞、数値などの情報は取材時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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